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    April 28

    背中

    どうしても納得できないことがあった。あっさりはい、わかったと電話で言ったが、動揺を隠し切れない気持ちもいっぱい。あまりにも急なこととて、受け入れるしかなかった。反応を示す前から、すでに終わっているかもしれない。それはそうと、応対を迫っていることもいっぱい。なんだか焦り気味。お互いに込み入っているようなことだからか、やるせない気持ちのときもある。家からの電話を楽しみにしながらも、昔のことを出すと、青々とした野菜畑と星空ばかりがあった。
     
    やはりおふくろの味が忘れがたい。高校時代から早くもそんな味から遠ざかった。食堂生活の毎日だったが、一年に二回ぐらいはその味が味わうことができた。それが、いつの間にか、おふくろの背中がだんだんと小さくなってきた。楢山節考に背負ってみると、案外軽かったおふくろがことが書かれているが、それには息子ならではの思いが寄せられているように思える。それでもいつまでもそこにいると信じ込んでいる。電話越しの声がそこまでかすかなものになってくるとは信じられなかった。まるで別人のようになっていた。そんな声を聞くのは初めてだった。
    April 22

    Speed

    よくもそんなに平気でいられるもんだねと言われた。人に大変なことがあったというのに、大丈夫かとのドライな一言。本当に平気でいられるかと言えば、かならずしもそうではない。いつも

    ジェットコースターに乗っているような気分。無論、初めてではない。何回も何回も乗った経験がある一方で、ぜんぜん怖くない、無感覚だともいえない。どうにかなるというかすかな期待感なのか、どうにでもなれというやけなのか、自分ながら、はっきりと断定することは無理。そんなことなどに、無鈍着になってきているかもしれない。何かしようというよりも何もしないほうが逆に助かることが多いから。耐性という言葉を思い出した。どんなに強い薬も、いったんは効きそうだが、次回もっと強い薬がないと、症状がなかなか鎮まらない。人間の世界にも同じかもしれない。怖い人より怖い人がおり、優しい人より優しい人もいくらでもいる。どんな人でもいったん慣れてきたが最後、その怖さや優しさが感じられなくなる。今までは口だけとあまり気にしなかったが、それが本当に行動にでるとは、想像もできなかったし、想像もしたくない。そんなことを目撃した瞬間、慰めの言葉の必要性は十分感じながらも、なぜか口にすべき言葉は、一つもなかった。ただその変で不気味な色をじっと見つめる以外に、何もしなかった。それはショックと言えばショックだが、不思議なことに、自分が変なくらいそんなに平静でいられるのだと実感できた。

    責める気も全然ない。そうなった以上は、そんなことなど無意味に違いない。十分にかわいそうなのに、とても責める気にはなれない。誰かのせいにするのも無理だ。

    そんなはずじゃなかった。そんなたびに、思い出すのはこのこと。いったいどこが悪かったのか。いくら考えても答えが出てこない。旅人はいつか変わるが、変わらずにいるのは自分の方だけ。せめて自分のことは自分で決めたいと、願ってやまない。

    そんなに無理しなくていいよ、五郎ちゃん。なぜかそんな優しいせりふが浮かんできた。財前五郎のお母さんがわが子によこした慰めの言葉。

    どうしてそんなにがんばらなきゃいけないのと聞かれた。返す言葉はない。人間にはいろいろなタイプがあり、がんばるのを運命付けられる人も当然いるに相違ない。

    久しぶりに聞くSPEEDはよかった。

    絶え間なく打ち寄せる波よ!このせつなさはどこから来るの。

    心の岸辺を濡らしていく、まぶしかった日々。

    April 21

    授業内容

    一級班のみなさん、授業に使ったものは、sangok/照片/新建相冊にあります。ご覧ください。